EXHIBITION · CHIE & REI
Chie & Rei「柿渋芸術」

KAKISHIBU AS ART
長く、暮らしを支えてきた素材が、いま、表現の主役になる。
柿渋・墨・紙・布。太陽の光、土との反応、時間の積み重なりによって生まれる色と質感。Chie & Reiが見つめる、素材と人の暮らしの新しい関係。
ABOUT EXHIBITION
柿渋という、
忘れられていた主役。
柿渋は渋柿の果実から得られる、日本の暮らしに根ざした素材です。漁網、酒袋、暖簾、和傘、伊勢型紙、建物の塗装。暮らしのさまざまな場面で使われ、水や湿気から道具を守ってきました。しかし、柿渋は長い間、道具や下地を支える脇役でした。柿渋そのものが表現の主役になることは多くありませんでした。
2016年、伊藤 嶺が出会った一枚の柿渋染めの布。銅のような色、岩のような質感に惹かれたことから、柿渋は墨と紙とともに制作の軸になりました。作家は夏の直射日光の下で布を数か月寝かせ、あるいは土に埋め、自然の変化を作品へと迎え入れます。
見慣れた生活素材を、もう一度、作品として見つめる。暮らしの脇役が芸術表現の主役となる展覧会です。
WORKS
作品について
布や紙の断片に、異なる時間と素材の表情が重なります。






画像提供:Chie & Rei
PROCESS
太陽と、土と、時間も。
すべてが作品の一部。
多くの染料とは異なり、柿渋は光によって色を深めます。さらに、土の中の鉄と反応して思いがけない模様が現れることも。太陽と土、そして時間が素材に働きかける過程も、作品の一部です。



INSPIRATION
建築に重なる時間、
暮らしの痕跡。
「完成という区切りがありません。建物は、いつも途中にあります。」
サン・ジミニャーノの民家、ドゴン族の泥の集落、フィリピンの水上の村、日本の古民家の屋根。修理や増築を重ねながら姿を変えていく建築に、作家は惹かれます。
何十年も前の木材と、昨日取り替えた木材が同じ壁の中に並ぶように、切り、重ね、縫い合わせた布の断片にも、異なる時間が混ざっています。作家は、人が暮らした痕跡を手がかりに、国や文化の境界を越えて、自分もここに属していると感じられる抽象的な空間を探しています。
制作の根にあるのは、暮らしを大切にすること、持続可能であること、互いを理解すること、差別をしないこと。異なる文化や歴史が、序列なく並ぶ場所をつくりたいという思いです。今回の展示では、原始的でシンプルだからこそ豊かな柿渋という素材を、見るだけでなく、触れ、香りも含めて感じてほしいと作家は考えています。
ARTIST
Chie & Rei
伊藤 嶺(Rei Ito)/伊藤 千絵(Chie Ito)
東京を拠点に活動。伊藤 嶺は墨、柿渋、ベンガラ、和紙、布など、暮らしの中で用いられてきた素材を使い、時間の積層や人々の暮らしの痕跡を作品に取り込んでいます。パートナーの千絵とともに「Chie & Rei」として、アートに加え食や文化体験を通じて日本の手仕事を伝える活動も行っています。
主な活動
2023 個展「Quiet Friends」NORTHING(ノルウェー・ベルゲン)/同名絵本の共同制作・出版
2024 北京アートブックフェア参加・トークセッション登壇
2026 個展「Paper Cycles」ほか(東京・八王子)
INFORMATION
開催概要
- 展覧会名
- Chie & Rei「柿渋芸術」
- 会期
- 2026年12月18日(金)〜27日(日)
休廊:12月21日(月)・22日(火) - 開場時間
- 10:00〜17:00
- 入場料
- 無料
- 会場
- Gallery NOOOG
〒111-0054 東京都台東区鳥越1-12-1(おかず横丁) - アクセス
- JR総武線「浅草橋駅」西口から徒歩約10分
都営大江戸線「新御徒町駅」A4出口から徒歩約8分
都営浅草線「蔵前駅」から徒歩約12分 - お問い合わせ
- info@nooog.jp
RELATED WORKSHOP
柿渋に触れる、つくる時間。
展覧会の会期中は、柿渋ステンシルのトートバッグや、伝統技法「一貫張り」の柿渋仕上げを体験するワークショップも開催します。
12月18・19・20・25・26・27日/各回4名・参加費4,000円